医療費控除の確定申告

確定申告のシーズンですね。私も本日、重い腰を上げて申告を済ませてきました。

3/15が期限で土日はやってませんから実質あと4日。さぞ混み合ってるだろう……と覚悟を決めて税務署に出かけましたが、意外にも書類提出コーナーはガラガラ。
子供2人を連れて行ってもさして困ることもなく、スムーズに提出が終了しました。
平日の朝9:50ごろという時間帯も良かったのでしょうが、おなじ税務署の中でも横目に見た書類作成コーナーはかなりの混雑でしたので、あとは出すだけの書類を揃えて行ったのが勝因だったのでしょう。

医療費控除とは

さて今回なにをしに行ったかと言いますと、ひとつは医療費控除の申告です。

医療費控除というのは、ご存じのかたも多いと思いますが、1年間(年度ではなく、1月~12月)に支払った医療費がある程度以上を越えた場合に、その額を申告すると所得税を一部返金(還付)してくれるというものです。

医療費控除の条件

この医療費控除を受けられる基準は、1年間の家族全員の医療費の合計から、保険金などによって補填された額を差し引いて、10万円以上になる場合です。
なお、総所得が200万円以下(給与年収でいうと、およそ311万円以下)の場合は10万円でなく、所得の5%が基準になります。

病院や薬局で支払ったお金だけが「医療費」じゃない!

ここでの医療費は病院の診察代、薬代のほか、市販薬を購入した代金、通院時の交通費、入院したときの部屋代なども含まれます。
「治療」にかかるお金であれば、保険外治療(自費治療)でも対象となるのがポイント!

妊娠出産にまつわるお金の話になると必ず出てくることですが、出産したときは高い確率でこの医療費控除の対象となります。不妊治療をうけた場合も同様です。

「補填額」にご注意

「不妊治療や出産なんて、あっというまに10万こえるじゃん!」って思いますよね?
ここで、「保険金などによって補填された額」にちょっとご注目。
出産したときに加入している健保から一律で貰える出産育児一時金(一般的には42万円)や、不妊治療の助成金(横浜市なら最大で30万円)もここにあたり、医療費と相殺されます。もちろん、民間の医療保険でおりたお金も同様。

とはいえ、不妊治療や妊娠出産ではそれらを差し引いても10万円以上持ち出しがあることがほとんどでしょうから、医療費控除の申告対象になりやすい年といえます。(年末まで妊婦検診に通って、出産が年明けとなると、入院費用によっては微妙かもしれませんが……)

医療費控除の申告方法

さてこの医療費控除の申告ですが、家庭にPCがあれば、たいして難しいことではありません。

いくつか方法はありますが、わかりやすいのは国税庁の作成サービスの利用でしょう。

  1. 対象年の医療費の領収書と申告者の源泉徴収票を手元に揃える
  2. 国税庁の「確定申告書等作成コーナー」で「医療費集計フォーム」をダウンロードし、日付・金額・対象者・内容・医院名と住所などを入力
  3. 「確定申告書等作成コーナー」から申告書を作成(質問に従って入力欄を埋めていく)
  4. 完成した申告書をダウンロードし、プリントアウト
  5. 期限内に税務署に持参するか郵送する

こんな感じ。

【確定申告書等作成コーナー】-TOP-画面

【確定申告書等作成コーナー】-TOP-画面

「医療費集計フォーム」はエクセルファイルなので、ダウンロードして入力し、わかりやすいところに保存しておけばいいです。

作成コーナーでは、質問に従ってWebブラウザ上でフォームを埋めていきます。よくあるアンケートに答えるような感じ。源泉徴収票から書き写すところがいくつかあるので、手元に用意しておくといいでしょう。
上で作成した集計フォームは途中でアップロードが指示されます。

慣れないと時間がかかるかもしれませんが、途中まで進めたところで中断・保存もできます。親切。

指示に従って最後まで進めると、PDF形式の書類が自動で作成されますので、ダウンロードして家庭用プリンタで印刷。(プリンタがなければフラッシュメモリなどに保存してコンビニに持っていけばコピー機でプリントアウトできますよ。)

書類を作成すると、還付金額がいくらになるかも教えてくれます。

いくら返ってくるの?

控除額と所得金額によって変動します。現在の所得税の税率はこの通り。

課税される所得金額 税率
195万円以下 5%
195万円を超え 330万円以下 10%
330万円を超え 695万円以下 20%
695万円を超え 900万円以下 23%
900万円を超え 1,800万円以下 33%
1,800万円を超え4.000万円以下 40%
4,000万円超 45%

参考:No.2260 所得税の税率|所得税|国税庁

さらに医療費控除は住民税にも影響してきます。住民税はおおよそ所得の10%なので、控除額の10%節税できるわけです。

つまり医療費控除が5万円だった場合、

  • 所得150万円……5万円の15%(所得税5%+住民税10%)→7500円
  • 所得300万円……5万円の20%→1万円
  • 所得500万円……5万円の30%→1万5千円
  • 所得1000万円……5万円の43%→2万1500円

がおトクになるという計算ですね。

なお医療費控除は生計を一にする家族全員分をまとめて申告できるので、共働きの場合は収入が高いほうの名義で出すほうがいいです。

申告をうっかり忘れてしまったら……

申告期限もうすぐじゃん!今頃そんなこと言われても遅いよ!という人。

ご安心下さい。

税務署の確定申告窓口は例年2~3月ですが、実は医療費控除は5年前までさかのぼって申告できます!これ、わかりにくいですよねぇ。

領収書を紛失してしまっている場合でも、病院に再発行を依頼することもできる場合があります。また、家計簿などにきちんと日付と金額をつけていて、集計フォームを正確に埋めることができるなら、領収書なしでも認めて貰える可能性があります。
病院の支払いをクレジットカード払いにしていれば、その明細も役立ちそうですね。

参考:
No.1120 医療費を支払ったとき(医療費控除)|所得税|国税庁
医療費控除の還付金は、いくら?計算方法はコレ [確定申告] All About
「医療費控除」は受けなければ損! でも領収書をなくしてしまった場合はどうするの? | マネーの達人
確定申告の医療費控除期限とやり方完全ガイド【2016年版】

スポンサーリンク

シェアする

フォローする

スポンサーリンク